公益社団法人日本ボート協会

Japan Rowing Association

日本ボート協会JARA OFFICE

全国のオアズパーソンへの手紙(第79信)

2019年3月4日
日本ボート協会会長
大久保 尚武
会長写真

2月13日(水)日本代表候補が長崎県諫早市で合宿しているというので、激励に行ってきました。シニアとU23の代表候補選手男女27名で、軽量級とオープンは半々です。

諫早市に日本代表候補が合宿するほどの良いボートコースがあるとは知りませんでした。本明川の下流で5km近い穏やかな直線コースがとれ、また近くにある県立総合体育館のトレーニング施設も充実しているので合宿地に決めたそうです。

因みに諫早市は体操の金メダリスト内村航平選手の出身地で(内村選手は街のスターです)、市としてもスポーツには大いに力を入れているようです。ボートの日本代表候補が合宿を張ったということで、「ハクがついた」と喜んでくれました。

13日の夜は、選手達と食事を一緒にしました。今回は長崎県副知事の平田研さん(東大ボート部OB)と諫早市長の宮本明雄さんが参加して、それぞれ激励の挨拶をしてくれました。こうして地元のトップの方が応援してくださるのは、ほんとうに嬉しいことです。

わたしも各テーブルを回り、全選手と少しずつでしたが話をすることができました。

翌14日(木)は朝、長畑芳仁強化委員長の運転でモーターボートに乗り、シニアクルー(ダブルスカルとシングルスカル)の練習ぶりを観させてもらいました。モーターボートの上は寒くて震えましたが、この中の何クルーかがオリンピックを戦うのだと思うと、観ているだけで思わず力が入ります。

全クルーの漕ぎを少しずつでしたが観た後、こんどはトレーニングセンターに回り、U23の選手たちの「C2サーキットトレーニング」を見学です。わたしは「このC2サーキットトレーニングで身体改造に成功した選手こそが、オリンピックメダリストになれる」と信じています。本当に厳しいトレーニングですが、頑張ってください。

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今回の諫早市本明川での合宿は、県と市はもちろんですが、地元の「チョープロ・ローイングクラブ」の全面的な支援のおかげで実現しました。本当にありがとうございました。

わたしは以前から「チョープロ」には大変関心をもっていましたが、今回 北野雄一監督にお会いし、いろいろ話を聞いたので、少し皆さんに紹介しておきます。(株)チョープロは長崎県でLPガス販売を主たる業とする会社で、社長は荒木健治さん、従業員は200名強です。荒木社長はスポーツを通じた地域振興に積極的な方で、サッカーJリーグの「V・ファーレン長崎」のスポンサーを務めたこともあるそうです。

ボートのクラブ創部を起案したのは同社社員の北野雄一さん(大村高、中央大ボートOB)です。2016(平成28)年の創部ですからまだ生まれたて、それが昨2018年の全日本選手権大会でM2-の優勝まで成し遂げたのですからたいしたものです。会社も本明川近くに立派な艇庫を建ててくれて、今回の合宿もその艇庫を利用させてもらいました。

北野監督は「ここを拠点に『総合水上スポーツクラブ』を目指したいのです」といいます。「別々の高校の選手でクルーを組んだり、Uターンしてきた大学のOB・OGなどが生涯スポーツとしてボートを漕ぎつづけたりする、それが夢です」という彼の考えに、わたしも思わず「大賛成、ぜひ頼む」と握手をしてきました。

もちろん会社の支援が必要ですが、協会としてもなんらかの応援をして、こうしたクラブ組織を育てていきたい、強くそう考えています。

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福井県のボート協会が「福井県栄誉賞」を授与されました。大変名誉のある賞で、全国のオアズパーソン揃ってお祝い申し上げます。おめでとうございます。

この「福井県栄誉賞」は1981年に創設されたものですが、今回がなんと5例目の受賞だといいます。1例目 五木ひろしさん(歌手)、2例目 毛利 衛さん(宇宙飛行士)、3例目 高田稔浩さん(アテネパラリンピック金メダリスト)、4例目 敦賀気比高校野球部(選抜優勝)が過去4回の受賞者です。国民栄誉賞の福井県版という感じですね。

今回の直接の受賞理由は、2018年福井国体における抜群の活躍ぶり(すなわち優勝5種目、2位5種目、5年連続15度目のボート競技男女総合優勝)なのですが、もちろんバックにある県ボート協会の長年にわたる強化・普及にかける努力が認められた結果であることは申すまでもありません。

山口治太郎県ボート協会長(写真)、田辺義郎県ボート協会理事長はじめ、福井県ボート協会の皆さん、そして選手諸君に心からの敬意と祝意を贈りたいと思います。

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日本経済新聞(2月23日(土))の歌壇欄に、実に良いボートを詠んだ短歌が入選し掲載されていました。目にした人も多いのではないでしょうか。

「新部員待ちてエイトをシックスで漕ぎ出だしたる春休みかな」

(横須賀  丹波 利一)

選者の穂村 弘さんは「未来の『新部員』を待つ『春休み』。不在によって表現された季節感がみずみずしい」と評しています。なるほどナ、と思います。実際に何度かシックスで漕いだことのあるわたしとしては、あのちょっと浮き気味でバランスの悪い不安定な感じが「身体感覚」として思い起こされる実感のこもった良い歌だと思いました。

丹波利一さんは、漕ぎ手のようにも思えますし、陸で見ているコーチかマネージャーのような気もします。横須賀ですから防衛大学のボート関係者でしょうか。

以上