公益社団法人日本ボート協会

Japan Rowing Association

日本ボート協会JARA

全国のオアズパーソンへの手紙(第28信)

2014年12月1日
日本ボート協会会長
大久保 尚武
会長写真

ナショナルチームにとって2015年シーズンはすでに始まりました。11月4日から第1回の合宿がスタートしています。

2014年シーズンにおける世界との戦いを振り返り総括したとき、強化委員会として「特に冬季のトレーニング量を増やすことが、絶対に必要だ」との結論に達しました。そのためには、冬場を昨年のように「日本代表選手選考会」にあてて、トレーニングは各自にまかせておく、というレベルではとても追いつかないと考えたのです。

そこで新たに「暫定日本代表チーム」という組織(チーム)をつくることにしました。そこには「昨年度の日本代表選手」と別途選抜した「継続強化対象選手」が所属します。そして彼らがこの冬期合宿に参加して、継続した強化トレーニングを続けることにしました。

同時にチャレンジしたい選手を対象にした選考会も毎月行って、クリアした選手は強化合宿に参加します。

ただ彼らが即日本代表選手になるわけではもちろんありません。来春3月・4月におこなわれる選考会で、「2015年度日本代表チーム」が決定されます。

ともかく「年間1万キロ」漕がなくては世界と戦えない、と考えているので、今回の合宿も相当厳しいもののようです。

選手諸君、ぜひ頑張ってこの壁をのりこえてください。

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リオデジャネイロのオリンピックはずっと先のことのように思っていましたが、出場枠の決定はもう来年8月の世界選手権(フランス エギュベレット)からはじまります。うかうかできませんね。

その世界選手権で大枠が決まるのですが、もう一度チャンスがあります。M1×、LM2×、W1×、LW2×の4種目は来年11月に韓国で行われる「アジア大陸予選」で、その他の10種目(狙っているLM4-も含まれます)は2016年5月のルツエルンのWCで決まるのです。

強化委員会としては、ぜひともエギュベレットの世界選手権で出場枠を獲得したいと思い、今シーズンの最大目標をそこにおいているのです。万一世界選手権でダメであったとしても、特に「アジア大陸予選」のある4種目は必ず枠を取りたい。そしてLM4-も、世界選手権で11カ国、ルツエルンWCで2カ国という狭い門ではありますが、ぜひ狙いたいところです。

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11月17日(月)「マスコミ懇親会」を岸体育館で開きました。新聞社14社(全国紙4、地方紙8、スポーツ紙2)テレビ2社、通信社他4社で、全部で22名が参加してくれました

最初にわたしから簡単にご挨拶をしたあと、崎山利夫強化委員長が「ナショナルチームの取り組み」と題して、2014年シーズンの主な国際大会の成績、そこで明らかになった日本ボートの問題点、2015年シーズンの強化方針、そして8月の世界選手権でリオデジャネイロ オリンピックの出場枠をぜひ獲得したい、という決意方針をていねいに説明しました。

また「タレント発掘・一貫指導育成事業」として、2020年東京オリンピックでのメダル獲得を目指して、様々な競技から将来のボート選手を発掘し、強化育成していくという方針を初めて発表しました。具体的には、11月下旬から全国各地で行われる「マシンローイング大会」の際に、自転車エルゴ(Wattbike)を用いたトライアウトを実施することにしています。マスコミ各社さんには、いろいろな面でのご協力をお願いしておきました。

大林ヘッドコーチからは、現在のトレーニングの様子を細かく具体的に報告しました。記者の皆さんも臨場感をもって聞いていただいたようです。

そのあとスポーツマンクラブに場所をかえて、1時間ほど軽くビールで喉をうるおしながら、懇談をしました。これからもこうしたチャンスをできるだけもって、ボートに関する記事・報道を増やしてもらうようにしたいものだと考えています。

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最近のトピックスを3つお知らせしておきます。

  1. 11月15日(土)「海の森公園」での植樹まつりに、初めてボート関係者25名(高校生、大学OB,JARA)が参加しました。全部で120本強の植樹をし、参加者からは「植えた木を1~2年後にまた見に来たい」という声も聞かれたようです。植樹後には都の担当者から、ボートコース予定地を案内してもらい、高台から全体を見渡して、コースについて実感がわいてきたようです。
    なお、この海の森公園は2016年オープンの予定です。
  2. 11月21日(金)「第29回日本ボートマンクラブ総会」が新宿でひらかれ、26校のOB・OG約80名が集まり、賑やかに旧交をあたためていました。昭和30年台の中頃から40年代初めに戸田で戦った連中です。
    席上、皆さんから「強化募金」として金一封を日本ボート協会に贈呈いただきました。わたしと同世代の仲間からの募金でもあり、ほんとうに嬉しかったです。どうもありがとうございます。なんとか勝って、恩返しします。
  3. 20年ほど前に日本ボート協会会長をしていただいた久米 豊さん(元日産自動車社長)が9月に亡くなられ、そのお別れの会が11月25日(火)に帝国ホテルで催されました。会場には日本代表チームの日の丸オールが3本組みで飾られ、久米さんのユニフォーム姿の写真とともに、人目をひいていました。さぞ喜んでくれたことと思います。

以上