公益社団法人日本ボート協会

Japan Rowing Association

日本ボート協会JARA

全国のオアズパーソンへの手紙(第14信)

2013年10月1日
日本ボート協会会長
大久保 尚武
会長写真

2020年、東京にオリンピックが来ることになりました。久々の明るいニュースで、またTVで観た日本の最終プレゼンテーションが、高円宮妃殿下をはじめとして皆すばらしかったこともあり、日本国中大喜びです。

わたしは、確たる裏付けがあったわけではありませんが、東京になると信じ込んでいました。2020年が日本ボート協会創立100周年と重なることに運命的なものを感じたせいもあります。

前回1964年の東京オリンピックは、その5年前の1959年のIOC総会で決まったのですが、その時の東京都知事はボート界の大先輩である東龍太郎さん、そしてJOC委員長は今の竹田委員長のお父様の竹田恒徳さんだったのです。ある種いろいろな面での因縁を感じます。夏のオリンピックを2回以上やるのは、アテネ、パリ、ロスアンゼルス、ロンドンに次いで5都市目だそうで、やはり大したことです。

これを好機として、日本のボート界としては(常々言ってきましたが)つぎの2つの課題に取り組まなくてはなりません。

(1)ボートをもっと強くする。オリンピックでメダルを狙う。

(2)国際レベルのボートコースを新設する。
どちらもたいへんな難題です。しかし絶対にやり遂げなくてはなりません。

「一人ではできない。」

「すぐにはできない。」

「今までのやり方ではできない。」

この3か条を信念に、腰を据えて取り組みましょう。

×     ×     ×

9月20日(金)に開かれた今年度第2回定例理事会で、強化体制の見直しとそれに伴う人事が提案されました。すこし詳しく皆さんに報告しておきます。

内容は大きく2点あります。

1、強化活動期間の捉え方の変更

(1)現行の会計年度(4月~翌3月)ではなく、世界選手権を最終目標として10月~翌9月を区切りとする。

2、強化体制の見直し

(1)コーチ体制

  1. 今季の目標であった「A final進出、もしくはB final上位進出」が達成できなかったこと。
  2. 現行体制ではオリンピックでメダル獲得という究極の目標実現が困難と評価せざるを得ないこと。
  3. 2020年東京オリンピックに向けての体制作りが必要なこと。
    以上より、阿部ヘッドコーチを含むコーチ体制を刷新する。
    後任のヘッドコーチとして、大林邦彦氏を候補として打診中。

(2)マネジメント体制

  1. コーチ体制の見直しに併せ、マネジメント体制の刷新を実施する。具体的には、強化本部長、強化委員長の人事異動を行う。
  2. 現強化本部長の小野寺等理事は退任し、新本部長は現在検討中である。(小野寺氏は安全環境委員長に就任)
    現強化委員長の相良彰敏理事は退任し、新たに清水一巳オフィサー(現強化委員)に委員長就任をお願いする。(相良氏はタレント発掘委員長(新設)に就任)

以上です。この件に関しては、理事会でもいろんな意見が出ましたが、最終的には上記提案通り承認されました。皆さん方にもいろいろなご意見があると思います。しかしぜひ今回の強化体制見直しの趣旨をご理解いただき、最終目標である国際競漕力の強化、ひいてはオリンピックでのメダル獲得にむけて、全オアズパーソンの皆さんのご協力をお願いします。

今回の強化体制の見直しについてのわたしの念(おもい)をお話しておきたいと思います。

昨年のロンドンオリンピックの惨敗のあと、わたしは危機感を持って、いろんなクルー・団体を代表する人たちとの話し合いを行ってきました。日本代表クルーの選手たち、実業団・大学・高校の監督・コーチ、元日本代表の監督・コーチ、トレーナなどのスタッフの皆さん、そして協会の理事諸君、等々…。

そこで共通してでてきた意見でわたしが一番気になったのは、日本ボート協会の強化方針・強化体制へのかなり強い不信感でした。「強化委員長は日本の総理大臣と同じで、毎年変わっている。これで確固たる強化策が取れると思いますか。」などと言われると、返事のしようもなく、「まいったなあ…」という思いでした。

それとこれは半年間のヒアリングでわたしが受けた印象なのですが、皆さんの心の底に漠然としたものであれ「今の日本のボートの現状で、オリンピックでメダルを取るなど、とても無理…」といったしらけた思いが透けて見えるような感じを受けました。一種の敗北主義といってもよく、現状批判が先行して前向きの強化体制を議論することになかなか入っていけない雰囲気でした。

わたしは、ここをどうにかしなければ日本のボートは永久に浮かばれないだろう、という気になりました。そしてこれを突破するチャンスは、2020年の東京オリンピックしかない。それを好機ととらえて、前向きの強い意志で動けば、道は必ずひらける。そう確信し決意したのです。

まだ全貌は固まっていませんが、さらに具体的な強化策をいろいろ実施していくつもりです。できるだけ早く全体像を発表したいと思います。

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9月は他にもたくさん重要なことがあったのですが、長くなったので、箇条書きでいくつかを紹介しておきます。

(1)第15回アジア選手権が9月25日~29日に中国六安で開かれています。日本からは大学生主体の軽量級5クルー・10名の参加です。結果はまだ確認していませんが、わたしは帰国後の話を楽しみにしています。

アジア20カ国、262人の参加ですから、日本派遣団はごく小さな部類です。全種目(16種目)参加の中国は別格としても、タイなどでも9種目13人の参加ですから、どんな様子だったのか聞きたいのです。

(2)東京国体が11日~15日に荒川で開かれました。最終日台風15号の直撃で、史上2度目の決勝レースなしの国体になったのは残念でしたが、それまでは順調に進み良い大会でした。

14日には「審判員懇親会」に初めて出席しましたが、全国から集まった100名以上の審判諸君とおおいに盛り上がり、楽しい会でした。学連諸君がたくさん集まっていたのも嬉しいことです。

(3)前にもちょっとお話した「タレント発掘プロジェクト」(正式名「地域チャレンジプログラム」)のボート合宿が8月25日~9月1日、戸田コースで開催され、13名の中・高生が参加、イギリス人コーチの指導を受けました。一橋大の野村コーチ、戸田中央総合病院の大戸コーチがついていたので、詳しくはいずれ聞くつもりです。

(4)その戸田中央総合病院のコーチの大戸淳之介さんが「スポーツ指導者海外研修員」として2年間の予定でイギリスに出発しました。イギリスには協会としてのマネジメントの面でも学びたいことが沢山あるので、「その点も頼む」と送りだしました。

(5)FISA(世界ボート連盟)のトップが変わります。正式には来年からなのですが、9月2日の通常総会で選挙の結果、次期会長にジャン・クリストフ・ロランド氏(フランス)、副会長にトレシア・スミス(カナダ)女史が選ばれました。2020年の東京オリンピックのボートは彼らが仕切ることになるわけで、その意味でもしっかり連携を取っておかなくてはなりません。

(6)「全国市町村交流レガッタ」が9月28日~29日、新潟県阿賀町の津川漕艇場で開催されました。前にも紹介しましたが、まことにユニークなレガッタで市町村議会議員の先生方のクルーもたくさん参加しています。19市町村議会の議長さんが参加した「議長懇話会」での皆さんの発言も傾聴に値するものでした。夜の交流懇親会はわが街自慢で大盛り上がりでした。

以上

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